ソフトバンクのデータ通信プラン付きで新しいiPad(第3世代)を買ったことを人に話すとき、製品名を非常に言いにくい。
iPad 2までだったら、「Wi-Fi+3G」とか「3Gのやつ」とかシンプルに言い放てた。ところが今回のモデルは、製品名こそ「Wi-Fi+4G」となっているが、日本国内での実際モバイル通信は3Gのままである。これはiPadに搭載されている4G機能が、アメリカのAT&TとVerisonが採用している方式に対応したもので、ソフトバンクが採用している4Gの方式と違うため。日本国内でiPadの4Gに対応できるのはNTTドコモだけだが、現在ドコモはiPadを扱っていない。

「iPadのWi-Fi+4Gなんだけど、実はソフトバンクは対応してないから3Gのやつ」とか説明すると長ったらしくなる。かといって「Wi-Fi+4G」と行っては嘘になるので、うしろめたい。ただネーミングは一応「Wi-Fi+4G」だからそのまま言っとけばいいのかなあ、などといろいろ余計なことを考えてすっきりしない。

ソフトバンクは、新iPadの発売前に、このことについてきちんと発表している。とはいっても、期待を裏切られたためか、モバイル式Wi-Fiルーターの普及のせいか、新iPadで売れているのはほとんどWi-Fiオンリーモデルで、ソフトバンクのWi-Fi+4G(3G)モデルの売れ行きは今ひとつとのこと。僕もがんばって事前予約して買ったのだが、予約は必要なかったようだ。

さて、オーストラリアでは、iPadをめぐって「4Gと表示されているのに、3Gじゃないか」と怒った消費者グループが訴訟を起こした。

「アップルiPadの4G広告は誤解を招く、差し止めか?」(The Vergeより)

実際に新iPadで4G通信ができるのは、さきほど挙げたアメリカと、カナダの一部キャリアーのみ。その他は基本的にiPadの4G通信は利用できない。
ソフトバンクさん、よかったですね。日本だけじゃなくて。

今回のiPadの4Gは、試験的な導入であったのだと思う。4Gの方式・普及の度合いが世界でまちまちなためだ。おそらく次のモデルでは、そのあたりを考慮して、世界中の方式に対応してくるものとみられる。

どうしても4GのスピードでiPadを使いたい人は、4GモバイルWi-Fiルーターを別途買ってつなぐしかない。実際そういう人が急増しているようだ。