絶滅しつつある「電車で新聞読む人」

電車の中で新聞を開いて読む人をあまり見かけなくなってから久しい。携帯電話全盛時代に入った2000年代からスマートフォン、タブレットの時代に入り、その傾向は、ますます強くなってゆくようだ。

今にして思うと、新聞は大きい。それをページをめくって折り返したりひっくりかえしたりと、至近距離に人がいる状況では、非常に読みづらいものだ。新聞発行に関して日本より歴史の深いイギリスでは、もうずいぶん前に、一般紙がタブロイド(tabloid・要するにコンパクト版)サイズに移行してしまった。ロンドンの人たちが地下鉄を利用することを考えると、自然な流れだったのだろう。日本のように電車が混雑する国で、一般紙があいも変わらずバカでかい紙サイズ(broadsheet)をそのまま採用し続けていること時代、新聞社に工夫がなかったと言える。

(ついでにいうと、混んだ電車の中でも使いやすい電子ブックリーダーなど、本来は日本のような国から火が付くべきだったのに、完全にアメリカに主導権を握られてしまっている。手本のエレクトロニクスメーカーの問題はまた別の機会に)

僕の住む地域では、スーパーマーケットなどの広告が欲しいためにC新聞をとる人が多い。なんとなく本末転倒な気もするが、新聞自体の存在感が薄い中、電子媒体がどんどん進化してゆけば、いずれは購読者がいなくなってゆくのだろう。

高い購読料、うずたかく積まれたまってゆく新聞紙、もう新聞購読の時代は終わってゆくのだろうか。「高い購読料」と書いたが、実はそんなに高くはない。しかし、日本の新聞は、ページ数が少ないので、高く感じる。海外に行くと、一般紙、経済誌、スポーツ新聞が一体となって、日本と同じ値段だ。


新聞やめたらiPad買える

僕はiPad時代にはいってから、ずっと産経新聞HDというiPad版の新聞を購読している。一月1500円。産経新聞のページ数の少なさ、物理的新聞配達が不要なことから、もう少し安くてもいいのではと不満もあるが、他紙と一線を画した編集方針が気に入っているので、応援の意味も込めて購読している。ほんとうは『サンケイビジネスアイ』とセットで1500円だとうれしいのだが。

電子メディアがどんどん便利になってきているのに対し、紙媒体の新聞とどうつきあってゆくべきか。ほとんどの場合、たいしたこと書いてないし、情報の新鮮度はインターネット情報に負けるし、と苦情たらたらの新聞だが、購読料に見合っているのか、考え直す時期に来ている。朝刊夕刊セットだと朝日・読売・毎日といった大手が3925円、朝刊のみでも3007円。日経が強気の朝夕4383円、朝刊のみ3568円。毎月こんなに払うなら、ソフトバンクにいってiPadをデータ通信プランで買った時の月々の支払いが、4725円からだから、iPadを手に入れて、どこでもインターネットニュースにアクセスできた方がお得な気がする。iPadなら海外から英語の情報も入るし、ビデオだって見られる。そもそもソフトバンクの3G回線データ通信も必要なくて、Wi-Fiモデルなら42,800円なのだから、新聞を一年ちょっと取るのをやめれば買えそうだ。家のWi−Fiで無料でダウンロードして、出先でインターネットにつながってなくても見られるAppもたくさん出ている。とくに英字新聞を紙で購読するのは、法人で事務所に置いておく以外は、本当にやめたほうがいい。


スマホ・タブレット版で生き残るしかない


iPadは他にもいろいろ使えるが、新聞は読んだらゴミ。ちょっとひどい言い方かもしれないが、タブレットとかスマートフォンといった電子メディアを利用して手頃な価格で課金してゆくビジネスモデルに積極的にシフトしてゆかないと、本当にやばいところまできているのが今の新聞業界だ。世界の新聞App(アプリケーション)購読の相場は、一月1500円程度。印刷版を購読した上に、さらにiPad版を課金しないと読ませないような料金体系はまったくバカげている。宅配購読料金プラス1000円なんて、何考えてるの、朝日新聞さん? いつまでも古い時代にしがみつきたい根性がありありじゃないですか?

iPadを手にとって、たとえ内容は今ひとつ理解できない人でも、英語のメディアに触れて、写真などを中心にヘッドラインニュースを眺めたり、デジタルメディアの使い心地を試すだけでも、楽しいし、勉強になると思います。

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サカナマンのコメント:
えらそうなこと言う割にはお前、喫茶店とか人の家にいくと必ず新聞読むじゃないか。なぜだ。