僕の周りでもiPad より小さく軽いiPad miniに関心を持っている人は多い。僕自身、「思いiPadは家の中専用にして、外出時用にはiPad miniを買って持ち歩こうかなあ」なんてApple のKeynoteを見ながら思ったりもした。

7インチ画面クラスとしては、Nexus 7やKindle HDなどのライバル機に比べて一万円以上割高のiPad mini。「完成度の高い美しいデザインを持つiPad miniはプレミアム製品なんだ」などという意見もメディアには出ていたりする。

はたして「プレミアム」という言葉がこの製品にあてはまるのだろうか?

iPad miniのディスプレイは、iPadやiPhoneで採用されているレティナディスプレイではない。レティナディスプレイというのは、画面のピクセルが細かく、人間の目では認識できないほど精細で、写真や文字がまるで紙の上に印刷されているように鮮明に写しだしてくれるディスプレイだ。一度これになれた目には、それ以前の製品に戻れないほど、その魅力は大きいと僕は思っている。

初めてタブレットを買う人、iPhoneのレティナディスプレイを使っていない人にはいいかもしれないが、レティナディスプレイに慣れた人にとっては、iPad miniのような小さな画面だからこそ、高精細な画面が生きるのに、そうなっていないiPad miniの画面には不満がでるのではないだろうか。

サンフランシスコでiPad miniの実機を手にとって見たメディアの記者の人たちによると「iPhone 3GS」レベルの画面らしい。

おそらく1年後の来年10月頃にはまた新型のiPad miniが出ることだろう。そのときには間違いなくレティナディスプレイが採用されることになるだろう。新製品を出すためには何か機能の向上が求められるが、これだけ完成度の高い製品になると、あとはプロセッサーを強化することやレティナディスプレイ採用ぐらいしか他にないだろう。

レティナディスプレイを採用してこそ「プレミアム製品」と呼べるのに、それがないiPad miniが28,800円からというのは正直高すぎだと思う。同カテゴリにあるライバル機・Goodle のNexus 7は19,800円、Kindle Fire HDは15,800円なのだから。

iTunes を使い倒していてApple のエコシステムから抜け出せないような人でないのなら、iPad mini以外の選択肢も一応比較検討するのも悪くないでしょう。

ちなみに、iPad 4まで出てしまって、これであと1年間は新しいiPad が出ないわけで、「もう少し軽くなったらいいな」と思っていたiPadのアップデートも来年秋までおあずけとなった。

iPad 4は、ソフトバンクやKDDIのLTEで契約したい人以外には、iPad 3から乗り換えるほどの魅力はない。通信ならiPhone 5のテザリングを使えばいいのだから。