人をかつぐような嘘ネタを流して楽しむ4月1日のエイプリルフール(英語では April fools)。今年も世界各国でさまざまな嘘が飛び交い、楽しませてくれた。

さてそんななか、我が日本国内では、NHKによるジョークが苦情を受けるという「事件」があった。


NHK:ツイッターでのジョーク 利用者の批判受け謝罪(毎日新聞)

このニュースをまだ読んでなかった方は、このリンクの記事を参照してください。僕もこの記事を引用させてもらいます。

さてこの毎日新聞の記事だが、「NHKがエイプリルフールのジョークとして公式ツイッターに過激な書き込み」とある。「過激な」というのは日本メディアで何かを批判する時によく使われる表現だが、これがそれほど過激なのか?

NHK広報局の職員がツイッター「@NHK_PR」で「NHKと民放が合併して国営放送になった。着物を着たアナウンサーが絶叫気味にニュースを伝える予定」

そもそも、こういったものにはブラックジョーク的な要素は付きものなので、批判を受けてうろたえるぐらいなら、最初からやめておいたほうがいい。日本はサタイア(satire・風刺)文化が弱い・・・というか、きまじめ過ぎる上に、すぐ感情的になるので、笑えるものも笑えなくなる傾向があるように思える。

僕に言わせたら、そもそも、制作予算に余裕があるはずのNHKともあろうものが、エイプリルフールのジョークをツイッター(twitter)などという無料のテキストメッセージだけで済まそうということ自体、生ぬるいのである。

海外のテレビ局や新聞社なら、ビデオや紙面を使った「もっともらしい嘘」を見事について拍手喝采を浴びる。一部ひんしゅくも買うが、そんなのおかまいなし。4月1日だからそれが許されるのだ。よほどあからさまな差別表現や品のないネタでないかぎり、見る者も寛容になってくれる。

"NHK広報局は「いささか度が過ぎた。今後は内容に注意したい」としている"とあるが、僕はむしろ、NHK総合のお昼のニュースや7時のニュースで、実際にニュースキャスターにこれをやってもらいたかったぐらいだ。ただ、ジョークの質としてどうだったか、むしろそれを反省してほしい。

<指摘したい点>
NHKと民放局が合併する可能性も必然性も要望もまったく無い。メリットもない。
→こういったことが起きるなら、独裁者が現れメディアを牛耳るという政治的な動きが先に起きなければならないので、フィクションとして未熟。

「北朝鮮のように民族衣装(着物)を着たアナウンサーが絶叫気味にアナウンス」についても、どうして日本が北朝鮮のマネをしなくてはならないのか? そういうことをさせる人・文化を生む社会に日本が変わり果ててしまった、というストーリーが無いと、これまた必然性がない。もっとも、撮影されたニセニュースを流したら、それなりに笑えるのかもしれないが・・・。

たとえば・・・、これはNHKを批判する内容なので、産経新聞的なメディアの出すネタかもしれないが、こんなのはどうか?

"NHKが中国新華社と業務提携・・・「反中国的」「日中友好に反する」記事の検閲で"
"NHKが中国国営放送「中国中央電視台」と合併・・・親中国番組をさらに強化"

まああり得ないが、実質はそうなっていないか・・・といういやみと批判を込めて。

最後に、政治的なこととは離れて、今年のエイプリルフールで一番話題になった、Google の「モールス信号入力の対応スマートフォン」のネタを。





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サカナマンのコメント:お前の「NHKネタ」も、そんなにおもしろくないぞ〜。